ほんの少しの余暇支援が、仕事の安定に
プロフィール Aさん 知的障害(自閉症) 40代 男性
説     明  休みの日に、一人で繁華街へ出掛けるのが好きなAさん。
 しかし、自閉症ゆえのこだわりが強く、そのことでトラブルになり、警察に事情を聞かれることがしばしばありました。またそんな時は人とうまくコミュニケーションが取れないため、パニック状態になってしうこともありました。
 そしてその影響か、仕事場でも作業に集中して取り組めなくなっていました。
支援内容 ◇休日のトラブルが続き、家族より相談があった。
 一般的に職場=就労支援、生活について=生活支援機関と分けて考えることが多いと思います。しかし、Aさんの場合、実家で家族と暮らしており、余暇についても家庭で完結しているため、職場以外に支援機関との関わりがなく、相談を受けました。

 (その内容は・・・)
  • 路線バスの運転手や、繁華街にある量販店では買い物客と、また仲裁に入った店員・警備員とのトラブルがあった。
  • そのトラブルの対応に来た警察官に事情を聞かれるが、自分ではうまく説明ができず、パニック状態になった。
  • 迎えに行った家族が「こだわりゆえの行動に対して、適切に対応してほしい」と伝えるが、理解してもらえなかった。
 というものでした。

◇支援機関への橋渡しと、Aさんと日々接している(障害特性を知っている)者として。

@支援機関への橋渡し。
 職場以外に気軽に相談できる支援機関(生活面)がないとのことだったので、家族・本人に了解を得たうえで、地域の(生活)支援機関へ情報提供し、初回相談の機会を職場で設けることで、安心して相談してもらうことができました。

A日々接しているがゆえにできること。
 Aさんにとって、休日自由に出掛けることがリフレッシュに繋がっています。しかし、その大切な時間が逆にストレスのもとにもなってしまっていました。職場以外のことではありましたが、Aさんと日々向き合い、特徴(障害特性など)を理解しているものとして、何かできるのではないかとの思いがありました。そこで、よく出掛ける繁華街を所管している警察署へ出向き、Aさんの障害特性について自作のチラシや、警察向けにまとめられた冊子を使って、障害特性などにあった対応をしてもらえるよう、説明をさせていただき協力をお願いしました。

ほんの少しの余暇支援が、仕事の安定に

 警察のかたにもわたしたちの思いは理解していただけ、「署員で情報共有をし、適切な対応をします」と言っていただき、積極的に協力いただけることになりました。

◆その後
 変わらず毎週末は一人で繁華街に出掛けていますが、現在は警察から家族に連絡がくるようなトラブルになることはないようです。その影響か、仕事場でも作業に集中して取り組めるようになっています。
まとめ ◎今回のことから、余暇の過ごし方が仕事の取り組みかたに影響することが、あらためて確認できました。

◎また、地域で関わる方たちも、障害について知らないがゆえに、トラブルに繋がる場合もあり、障害について知ってもらうことで、いろいろな協力を得られることもわかりました。

◎今回は余暇についての取り組みですが、通勤時の交通機関やその他にも通じることだと思います。

警察への情報提供や、こだわりのある方への対応についても、個々のケースにあった対応が必要で、本事例を普遍化できるものではないことを補足したい。