できることをしっかり評価することで・・・
プロフィール Aさん 知的障害(身体障害も重複) 30代 男性
説     明 箕面市立リサイクルセンターでカン・ビン選別作業を行うリサイクル部門で働くA職員、作業において苦手なことが多く、平成5年の勤務開始当初より、それを改善するための支援を行ってきました。しかし、現在に至るまで多くのことについて改善は見られず、違った角度からの支援を試みました。
支援内容 ◇苦手なこと、得意なことの再確認
まず現在のA職員の作業をあらためて整理しました。
《苦手なこと》
  • 両手を使っての作業(左手がうまく使えない)
  • 作業に好き嫌いがあり、嫌いなことはあまりしない。
  • 動きが全般にマイペース。
  • 作業指示を受ける相手によって、対応が変わる。
  • その時の気分によって、作業へのモチベーション(取り組み方)が大きく変わる。
《得意なこと》
  • 色別にビンを選別するが、その色の判別は正確。
  • 得意な作業に関しては、手を抜かない。
  • 掃除等は、周りの職員がしていないところを探し行う。
  • 複数の作業内容(ポジション)を行える。
  • 周りの職員の動きをよく見ていて、少ない指示でも状況を読み行える。
  • 周りの障害者職員が何かに困っていたり、苦手なことをうまく行えていないとき、直接手助けをしたり、健常者の職員に知らせたりできる。
結果、理解力や判断能力に課題はなく、苦手なことに関しては、左手がうまく使えないことを除いては、ほとんどがメンタル面(やる気)が課題であると確認できました。

◇苦手なことの改善 ⇒ まず得意なことを伸ばすことから
左手がうまく使えず両手での作業が難しい(障害によるものでもある)ことや、その他苦手なことへの取り組みは、現状、A職員の課題の改善には繋がっていません。では、まず得意なことを伸ばし、それから課題を・・・と考え、以下のとおり取り組みました。

@色の判別など、選別作業において、できている点を積極的に評価する。

⇒今まで、苦手なことに対して注意をされることが多かったA職員、「さすが。色(の判別)はばっちりやな!」や「○○作業はA職員に任せたら安心やな!」などの声かけに、はじめは戸惑っているようでした。しかし、評価されることがやる気に繋がったようで、得意なことはよりしっかりと、そして苦手なことも徐々にですが、以前とは取り組み方が変わってきました。
できることをしっかり評価することで・・・
《苦手な両手での作業を行うA職員》

A周りの障害者職員について、知らせに来てくれた際、”ありがとう”と必ず伝える。

⇒はじめは「○○さんが△△できなくて困ってる」と知らせてくれ、そのことにしっかり『ありがとう』と伝えることで、周りを見て気づいたことを、毎回知らせにきてくれるようになりました。

⇒さらに、作業手袋などの洗濯(職員が当番制で行う。多くの職員が苦手としており、時間内に終わらないこともしばしば)などが終わらない職員をみかけると、さりげなく手伝ってくれるようになりました。

《多くの職員が苦手な洗濯当番》
A職員も苦手だが、他の職員が時間内にできそうにないと、率先して手伝ってくれます。

できることをしっかり評価することで・・・
できることをしっかり評価することで・・・

◎今回のことから、苦手を克服することも必要ですが、まずはできていることをきちんと評価し、伸ばすことも大切であると再確認できました。これは障害者に限ったことではなく、自分の働きを認めてもらうことで、モチベーションがあがることは、わたしたちでも同じですよね。