集中力の持続のための工夫 (興味を持ってもらうことをきっかけに)
プロフィール 知的障害(自閉症) 30代 男性
説     明 リサイクルセンターで、カン・ビンの選別をおこなっている職員の事例です。

A職員が担当する透明のビンは、近年、上から様々な色にコーティングされたものが増えていて、そのビンへの対応は全職員の課題でもあり、A職員も苦手としていました。

苦手なことはあっても、選別作業をしっかり行え、周りの職員からも頼りにされているA職員。
もっとも、以前より集中の持続に課題がありましたが、加齢に伴う体力の低下もあって、さらに集中することを持続できなくなってきました。
支援内容 @カラーコーティングされた透明のビンに、興味を持ってもらう

テレビのコマーシャルを見るのが好きなA職員。まずはカラーコーティングされた透明のビンの中でも頻繁にコマーシャルされているもの使い、日常会話の中から「●●梅酒のビン、黒く見えるけど透明みたい。」と伝えました。
あわせてリサイクルセンターへの見学者用に展示してあるものに、カラーコーティングされた透明のビンを増やしていきました。
そして、作業の合間の時間などにビンを展示している棚を掃除するよう伝え、その際「赤に見えるけどこれも透明だね。」など声掛けをおこなっているうちに、カラーコーティングされた透明のビンに興味を持ってもらえました。

〈展示スペースの一角にある透明のビン〉

左端のようにピンクに見えたり、右端の前から2列目のように黒く見えたりするものも、全て透明のビンにカラーコーティングされたものです。


A作業の中(ベルトコンベアを流れるもの)でも興味を持ってもらう

@の取り組みにおいて、カラーコーティングされた透明のビンには興味を持ってもらえました。
しかし、作業の流れの中ではどうしても一般的な透明のビンしか取れませんでした。
そこで、A職員が取り逃したカラーコーティングされた透明のビンを、作業中、視線に映るところに並べてみました。
右の写真の左側にいるのがA職員ですが、隣の職員の前にカラーコーティングされた透明のビンを並べているのがわかると思います。
A職員はこの並んでいるビンを見て「自分も取りたい。」と思ってくれたようで、流れるビンの中から、集中して探すように、そして、徐々に取れるようになってきました。

この取り組みを通じて、自閉症の方への支援の基本である、こだわりを生かすこと、視覚化することは有効であるとあらためて感じました。